2014年01月28日

野毛「una casa de gb gb El Nubichinom」



















野毛の都橋商店街に「ウナ カサ デ グビグビ エルヌビチノ」という


長い名前のビールを飲ませるお店があります。


私なんかはぜったい素面でも舌を噛んでしまいますね。


だから「ウナカサ」で「グビグビ」と覚えようかな・・・。笑


以前からホロ酔いでこの界隈を歩きながら気になっていたお店です。


あのアド街でも取り上げられていたので


是非、一度入ってみたいと思っていました。





もう、野毛通たちには有名なお店らしく、


ネットで検索しても沢山でてくる「ウナ カサ」は


なんとお燗をしたビールを美味しく飲ませてくれるそうです。


昨年の寒い季節あたりからホットワインにハマッたこともありまして、


先週末、いつもの「すきずき」でトラの鉄砲を刺身でお腹に入れた後、


北風の吹く中、「ウナ カサ」を訪ねてまいりました。


ホントはね、旧バラ荘に行ったのだけれどまだお店が・・・。笑














右がお燗ビールの「アールグレイ」、左が「ワイルド・イン・洗足」です。













さてさて、この都橋商店街はもう説明する必要の無いほど


横濱では有名な飲み屋街ですが、


一応触れておきますね、


ここは今から丁度50年前に開かれた


東京オリンピックの開催に伴う都市環境整備で


それまで散在していました露店や屋台・店舗などを


船の行きかう大岡川沿いの一箇所に集めて


川に沿ったアールの二階建てに集合させたのが


現在の都橋商店街で店舗数は約60軒、地元の通称ハモニカ横丁です。


でも、ここの雰囲気はそれ以前の


戦後の闇市・バラックの風情と匂いがどこからか


まだその当時生まれていない私たちにも


妖しく・懐かしく語りかけてくるかのようです。


そう、膝小僧につぎをあてた年期の入ったズボンをはいて


鼻の頭を汚した子供たちがウロウロする街で、


戦後外地からの引き上げ者たちが目だけをギラギラとさせて


毎日、生きることが最優先されていた時代の空気が


当時の野毛には色濃く在ったと聞きます。


以前、このブログで書きとめましたが、


私の祖母が野毛の伊勢山皇大神宮下に住み


同所近くにBARを開いていました関係で


祖母たちからこの界隈の時代の香りを


口伝えに聞かされたことがあります。


当時、正規にお酒を仕入れることができたので、


家の親たちは食べるものにはまだ恵まれていたようです。






いまから70年近く前の野毛界隈、


1945年5月29日の昼のB29(500機)・P51(100機)によっての


横浜中心地への大空襲と機銃掃射は


この界隈の建物のほとんどを消してしまいました。


その後に雨後のタケノコのように建ったのが野毛の闇市で


そんなハマの深い歴史の上に現在の野毛はあるのです。

http://www.city.yokohama.lg.jp/somu/org/housei/sisi/web-air-raid/chapter11.html

(この幾つかの弾幕の中に私の親たち家族がいました。
幸いにしぶとく生きながらえましたが。)


http://www.city.yokohama.lg.jp/somu/org/housei/sisi/web-air-raid/photo62.html


祖母たちから聞かされました話の中には、


実は横濱も原爆投下目標都市に加えられていたとの話もありました。


このことは知らない人の方が多いでしょう。


その時に聞いた話では、その原爆を積んだ船だかを


日本の潜水艦が沈めたので


横濱には落とされなかったという話もありました。


聞いたことは事実ですが、


当時の混乱した中での情報統制時代、


どこまでホントかはわかりませんが・・・。




ですから私の育った場所でもある野毛界隈でお酒に酔うとき、


酔いに高ぶった心の片隅に


たとえわずかではありますが、


いつも野毛界隈の過去への思いが過ぎるのです。








ケホケホッ、さてさて、お話を戻しましょう。


この「ウナ カサ」は麦酒専門に飲ませてくれるお店で、


噂の「お燗ビール」を頂きました。


この日はアールグレイという紅茶の香り立つビールをお燗したものをハーフで。


これはね・・、うん、とてもおいしかった・・・。


窓から寒々とした川風が吹き付ける夜の野毛の景色を眺めながら


温かく香り立つビールの「ほんのり」と立ち上る紅茶系の甘い匂いが、


ビールではなく、何か別のモノを身体に入れるが如くに沁みてきました。


とにかく、心穏やかに酔えるお酒でした。









グラスの中に川面のネオンが揺れて、酔いとともに時が過ぎてゆくのです。








ベルギーやドイツなどでは


ビールを温めて飲むことは普通だそうですが、


私は知りませんでした・・・って、


たぶん、以前から気を入れて聞いていないことはすべて忘れてしまう


こんな私ですから、


昔、どなたからか教えてもらったかもしれませんが・・・、


もし、その方が覚えていたとしましたらスイマセン。ペコリ






暗く落ち着く店内お店は立ち飲みのビール専門店で、


「L型」のカウンターに向かって


お客さんが思い思いのビールの世界に浮遊します。


そして一番奥の窓ガラスのすぐ外は大岡川の夜の灯りを映す水面です。


二人連れだけでなく、ひとりブラリとのみに来るお客さんも多く


お互いの間合いを尊重しながらマイペースで呑めることがよいですね。


おいしいビールだけでなく、このお店の雰囲気や


お店のある野毛という街の風情。


それらすべてを併せてのどに流し込んで


私の野毛の夜は静かに更けてゆくのです。
 
 
 
 
 














 
 
 
 
 
 
 
 
 
  

Posted by ひげ at 06:22Comments(2)横濱野毛