2014年06月15日

「アナと雪の女王」



 
 
 
 








封切りから、だいぶ出遅れてしまいましたが、


「アナと雪の女王」を土曜日に観てきました。

http://ugc.disney.co.jp/blog/movie/category/anayuki


思った以上に素晴らしく良かった。


最近観た映画の中で一番良かったかもしれない。


上映期間内に映画館で観てよかったです。


エンディングクレジットが膨大に長かったのは、


CGに係わる「手間」の多さを語るようです。


ここまで表現が可能である、でも、これだけ人手と時間がかかる・・・。


この映画、ディズニーの90周年の記念となる力作は、


アンデルセンの童話「雪の女王」を原作・ヒントにした


ダブルヒロインの「アナと雪の女王」。


人は真っ直ぐで嘘がなく


そして儚げな弱みを持った者に共感と理解を示すという


そして仮想の王室のお話し。


ある意味、王道といえるストーリーですが、


わかりやすいストーリーに対して


膨大で物凄い画像情報が込められています。


何年もの手間をかけた発想と技術、


どのカットをみても凄く勉強になります。


良く見ますと左の日本版に比べて


本国版は若干明るいように見えます。


歌詞を入れた人が手を入れたのかも・・。









https://www.youtube.com/watch?v=cvj3-MZO9Tw&list=RDk-FFdYoq2r8&index=2

https://www.youtube.com/watch?v=bvvxdie1F5k

http://video.search.yahoo.co.jp/search?p=Disney%27s+Frozen+snowball+fight&ei=UTF-8 
 
 
 
    
 
            
                   

  
 
 
 
 
 


 
 
 
そして、「絵」の世界はかくもおもしろい・・・。


描き方の参考になりそうです。







https://www.youtube.com/watch?v=1E82SF1BSKM













https://www.youtube.com/watch?v=maW0KmHs_sM














https://www.youtube.com/watch?v=tKZPgTTNGdA




 
 
       
                  
             
                   

 
 


























ダブルヒロインといえばジブリの夏の新作


「思い出のマーニー」もダブルヒロインだそうで、


映画冒頭で紹介されたコマーシャル「思い出のマーニー」の


テーマ曲を歌うプリシラ・アーン 「Fine On The Outside」が


とても良かったので手に入れたらカブリオレで聞こうと思っています。


http://marnie.jp/music/index.html




素朴な彼女の歌声はこちらです。

https://www.youtube.com/watch?v=K9eZiQAxaHw

https://www.youtube.com/watch?v=msymG-0_5b8

https://www.youtube.com/watch?v=CBs1QoiEXqA





 
 
 
 
 
  



  

Posted by ひげ at 07:34Comments(0)映画

2013年12月23日

「永遠の0」














その日、朝陽射す雲海を望む空は美しかった。














クリスマスのメロディが流れる先週末、



その休日に一本の映画を見ました。



題名は「永遠の0」、作家の百田尚樹が2006年に書いて



ミリオンヒットとなった、あの小説が映画化されたものです。






この物語は今から約七十年前、



資源の無い日本の国が



戦争という大きな世界の渦の中で



当時、アジア圏で唯一



西洋の列強国と戦い、敗れた当時の物語です。







最初に書き記しておきます。



この物語は決して戦争を美化したり、



いろいろな物語を模倣したものではありません。



戦争という、国家間の過酷な流れの中で



戦いの矢面に立つ男が



「ひとりの人間」として妻や子を思い、



戦場という自分の置かれている立場の限られた範囲の中で



大きな時代のうねりに翻弄されながら、



自己の思いを信じて生き抜くことの難しさを



ひとつのテーマとして書き記している物語です。



それは限りなく史実に近いフィクションでありますが、



あの揺れ動いた時代の「ひとりのリアルな調べ」です。






その時代の大きな流れの中に身を置いた人たちの経験を考えますと



「同じ思い」を持つ人がいたとしても、



同様の視点を活字にしようとした人がいたとしても、



それは模倣や真似ではありません。



むしろ人の思いが重なる深い部分が大きいからこそ、



多くの既観感や共感が心に生まれるのであり



惹いてはベストセラーも生まれるのだと思います。






あの時代を生きてゆく道筋には



物語を構成するプロットも筋書きもありません。



そんなものが合い入れない時代だったと思います。



あの素直に生きることに不自由な時代に、



ごく限られた自分の心と時間の中で、



精一杯に燃焼し、限りなく心を触れ合わせた・・・。



そのことは誰も、誰にも触れられない



大切な「その人だけの思い」だからこそ、



あの時代を経験した人たちは



今もずっと口を閉ざしているのだと思います。







その個人的な思いからくる「純粋な輝き」は、



国家レベルで見れば、まるで一瞬の儚い線香花火のようです。



だから、この作品が遺作となった名優、



夏八木勲の最後のシーンでのセリフを咀嚼すれば、



あの時代を生きた人たちはあと十年もすれば皆居なくなる。



でもいま残されて生きているあの時代を経験した人たちは



各々が、それぞれの同じように辛く苦しく



いや、その中でこそ美しい瞬間を生きたことを、



誰にも語らずに自分の腹に呑みこんで



今を静かに生きているんだ・・というような意味にとれました。







そう、戦争という過酷な体験だけでなく、



おそらくは、戦後もいろいろな苦労を味わいながら



家族にも、誰にも告げることなく生きているひとたちは多い。



そして去りつつあるのです。







そして言葉にして語られないから、



或いは、形に表されてはいないから、



私たちはその過去の事柄が無かったと思うのではなく、



むしろ「語られないその意味」が



あまりにも大切なものが消えていった体験として存在していて



それを理解するひとつの機会として



「永遠の0」という物語があるのだと私は思うのです。

















■映画「永遠の0」

http://www.eienno-zero.jp/index.html


■「永遠の0」

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B8%E9%81%A0%E3%81%AE0









 
 
 





 
 
 
 
 








 
 
 
  

Posted by ひげ at 22:38Comments(0)映画

2013年08月06日

ジブリ『風立ちぬ』


















スタジオジブリ、宮崎駿監督の『風立ちぬ』を先日観てきました。



今回の映画は『千と千尋の神隠し』(2001)や、『ハウルの動く城』(2004)、

『もののけ姫』などの宮崎駿の世界とはまた一つ違う

実在の人物を元にしたストーリーで、

日本の航空機開発の創世記に設計者として活躍した人物「堀越二郎」と、

同じ時期に文壇で活躍した「堀辰雄」の純文学作品を底辺として

今までにない宮崎駿の世界として纏め上げた「風立ちぬ」という映画。



堀辰雄の同名小説を映画タイトルにしながら、

登場する薄倖なヒロイン名は同作家の別小説名である

「菜穂子」という名で出てまいります。



当時のまだ近代化前の日本を背景として、

関東大震災や大戦という大変な時代の中で、

主人公の「堀越二郎」と「菜穂子」の短くも儚い純愛が、

飛行機開発の苦労と平行して進行してゆく・・・。



それぞれの元ネタを知っている世代には理解しやすいかもしれませんが、

まったく知らない世代が観ると、

またひとつ、受け取り方が変わってくるかもしれません。

勿論、映画とはそういうものなのですが・・・。



面白いなと思ったのは、

小説などを若くして読んだときに

その時点で著者意図を理解できなくても、

長い時間を隔てて再度読んでみると

自分自身の成長やスキルを積み重ねることによって、

最初にわからなかったことが分かって来る。

理解できなかったことが理解できるようになる・・・。

「風立ちぬ」は、そういう広いメッセージを持った映画でもあると思いました。



同時に考えたのは、

今の時代は「すぐに結果」が求められたり

「瞬時に理解」することを必要とされることが多い時代で、

その場で理解し辛いモノは共感を得にくい側面を持ち合わせている。



もう少し書いてしまえば、

情報の受け手が「一瞬の喉越し」で「全てを理解」しようとする風潮。

そんな危険性に気づいていない人が

昨今は多いということにも繋がります。



自分が如何に気持ち良いか、自分がどれだけ楽しいか。

自分の舌に美味しく満足を得られるのか。

自分に優越感を得られるのか。

自分に今、どれだけの「利」が受け取れるのか。



或いはまた、

自分が今、どれだけ辛いのか。

自分がいま、どれだけ悩みを抱えているのか・・。

自分が今、八方塞りで孤立しているのか。

自分がいま、耐えられないくらい孤独なのか。



「そういうことだけ」を基準にして、

今この瞬間に全てを評価しようとすることの危うさが、

現代ではとても多いように思うのです。



勿論、上記のプラス思考は心を穏やかに幸せを噛み締める上でも

適度に必要なことであり、

また、マイナス志向も大なり小なり誰しもが通る道筋でもあるとは思いますが、

「それだけでは無い」という気持ちを忘れないことによって、

謙虚さや所作・振る舞いが

またひとつ変わってくるように思うのです。

そして、それをコツコツと積み上げることによって、

知らず知らずのうちに、

自身への評価も良い方向へと積み重なって来る・・・。



私には、そんなメタファーが、

「生きねば」というキャッチコピーを踏み台にして、

この映画には隠れているように思えます。



そして、一度読んだ小説も、

一回、観た映画も、

そういう視点での「リピート」という自身での咀嚼を行なうことによって、

そのつど味わいは深まっていくのではないかと・・・。



 
 










 
 








ポール・ヴァレリー「海辺の墓地」の一節 『Le vent se lève, il faut tenter de vivre』





 
 
 
 
  


Posted by ひげ at 20:30Comments(0)映画

2013年07月06日

「風立ちぬ」

















「風立ちぬ」といえば堀辰雄の小説を思い出す人も多いでしょう。


私も中学の頃に母の蔵書の中から壇一雄の「リツ子」の二冊や、


堀辰雄などを読み耽ったものです。


当時の文庫は、いわゆる旧仮名遣い(歴史的仮名遣)で


とても読み辛かったのですが、


その純文学の世界に引き込まれるように頁を捲ったのが


現在のわたしの本好きに繋がっているのだと思います。





さて、今回は堀辰雄の「風立ちぬ」のお話ではなくて同名の、


この夏、7月に封切られる宮崎駿のジブリ映画「風立ちぬ」のお話です。


この映画は日本で戦時中に開発されました


戦争初期に世界の基準を超えていた名戦闘機「零戦」の開発と恋の物語、


宮崎駿の世界です。





戦後生まれで当時の惨劇を幸いに知らないわたし。


戦争そのものを美化する気持ちは毛頭ありませんが、


世界基準を超えた飛行機を自分たちで作り上げるという


高い志には心も震えます。


また別のお話ですが、


その零戦の物語を小説として書き上げた百田尚樹「永遠の0」も読みました。




戦時という過酷な状況の中で揺れ動く心を


現代の人間の視点で綴られたこの本もまた、


年度のミリオンヒットを記録したそうです。








●『永遠の0』百田尚樹
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B8%E9%81%A0%E3%81%AE0





「忙しい」とは心を亡くすと書き、


「忘れる」とは同じように亡くす心と綴ります。


わたしたちは知るべきことを知らずして


知る必要もないことがらばかりに気を病んでいます。


ずっと不動と思っていた足元すらも揺れ動かされる昨今の世の中、


いろいろな意味で今の社会に必要とされつつある課題ではないでしょうか。





そんな混沌とした自分の揺れ動く毎日に


一度、足を止め視点を変えて考えるのも良いかもしれない。


そんなキッカケとして・・・、


いやいや、毎作劇場で観ていますジブリの映画ですから、


いまから7月20日の封切りを楽しみにしているのです。













●スタジオジブリ公式「風立ちぬ」(堀越二郎と堀辰雄に敬意を込めて。)

http://kazetachinu.jp/







●青空文庫

http://www.aozora.gr.jp/

●堀辰雄の「風立ちぬ」

http://www.aozora.gr.jp/cards/001030/files/4803_14204.html











●「大空のサムライ」坂井 三郎

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E7%A9%BA%E3%81%AE%E3%82%B5%E3%83%A0%E3%83%A9%E3%82%A4




 
 
 






●「祖父たちの零戦」神立 尚紀

http://book.akahoshitakuya.com/b/4062163020


 








 

●「堀越二郎と零戦」学研パブリッシング

http://hon.gakken.jp/magazine/2709678083



 
 
 
 
  
 
 
    
 
 




 
 
 
 
  



 
  
 
 
  


Posted by ひげ at 08:25Comments(0)映画

2008年07月20日

『崖の上のポニョ』






昨日、朝一番で観てきました『崖の上のポニョ』。

宮崎アニメのファンなので詳細・前知識を仕入れる前に観てまいりました。

http://www.ghibli.jp/ponyo/


会場のGENTO YOKOHAMA [ゲント ヨコハマ] は夏休みに入ったこともあり満席。

http://www.gento.jp/

109シネマズのポイントカードで前日にネット予約をしておいたので

膨大な列に並ばないで広々のペアシートでゆったりと鑑賞できました。

http://109cinemas.net/


映画はとても良くて暖かい気持ちを持ち帰ることができました。

夏の暑さを越える爽やかな追体験は映画の愉しみのひとつでもあります。














宮崎監督は、これからの時代を「神経症と不安の時代」とし、

食料や原油価格の高騰からくる不確定の社会、

地球の温暖化からの環境の急変、

問題を知りながらも毎日の「今までの日常」を捨てきれない私たち、

そんな近い将来に置かれているかつてない大きな問題、その解決への糸口を

『どんな時代であれ、5歳の少年からみた世界は美しく生きるに値する。』として

人間の心の底に流れる純粋で疑いない、そのもろく繊細でいて

本質的な「本能」を物語化することによって私たち観る者に

語りかけています。

要はそれをキャッチできるかどうかというある意味、

投げかけであるのかもしれません。

純粋な「宗介だいすき!」というポニョのピュアな言葉を通して・・・。






"宗介"、その意外なルーツは夏目漱石の作品群、

「門」の主人公の"宗助"がもととなっているとのことです。




  


Posted by ひげ at 09:11Comments(4)映画