2014年06月30日
からっぽの木とビーカブ、そして上昇気流

梅雨の晴れ間の青空は、
澄んだ空気と深い藍。
そこから初夏を思わせる強い太陽光が降り注いできます。
ここ清水ヶ丘公園の「からっぽの木」も
枝先の葉を一層緑濃く茂らせて
「ゆず」のプロモーションの頃とは
比べ物にならないくらい木も育ちました。
特に、公園関係の方たちが勢いの衰えたこの木に
黒い養生シートを被せて「あの穴」も見えなくなり
根から少し離れた何箇所かに肥料か薬剤を入れてからは
格段に「からっぽの木」は大きく成長しました。

このカットは壁紙用も作りました。
結果的に以前の「からっぽの木」の「あの姿」とは
だいぶ装いが変わってしまいましたが、
木本来のことを考えれば
枯れたり、大風で倒れたりするよりは
これで良かったのでしょう。
現に数年前には「からっぽの木」のすぐ近くの木、
樹高十メートルほどのニセアカシアが
台風で倒れてしまったことがありました。
また、この木の周辺の木々も月日の経過と共に成長して、
丘の上に形良く立っていた「からっぽの木」を
現在では同じ高さくらいとなり
「からっぽの木」単独ではない景色に観えます。
よって、写真を撮影しても
昔のような「丘上の一本の木」という風情は
北西側の階段側などの一部の場所からしか写せなくなりました。
今回の画像でも右奥の桜の木が押しています。
山々の森や林、町並みや人も
時間の経過とともに少しずつ形を変えて行きます。
その変化はなかなか気づき難いほどゆっくりとしたものですが、
確実に姿を変えてゆきます。
私たちが写し留める多くの画像も
数年の時間をおいてみれば
すべてが変化しています。
私たちは「あの頃」に戻り、帰ることができないからこそ、
少しずつ去ってゆく今この瞬間を
手元に写し留めることを希望して、
シャッターを押す指先に力を込めるのでしょう。


今年の夏はもうそこまで、
南から上陸を待っているのです。

Posted by ひげ at 20:09│Comments(0)
│からっぽの木
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