2009年01月03日
新しき 年の始の 初春の
『 新しき 年の始の 初春の
今日降る雪の いや重け吉事 』
巻第ニ十 4516 大伴家持
この歌は万葉集の最後を飾る大伴家持の歌であるとともに、
確たるものとして残っている天平宝字3年(759)の正月に詠んだ
家持最後の歌でもあるといわれています。
そして、「年の始の初春の」など「の」という格助詞を三つ続けて使うことに
違和感はまったくありません。
むしろ心地良いリズムと韻を感じます。
さて一般的な現代語訳は、
「新しい年の始めの初春の、今日降る雪が積もるように、
いよいよ積もり重なれよ、めでたいことが。」
とありますが、
私としてはこちらの方↓が意図を得ていると思います。
「幸福とは宝くじに当たるときのようにどっと一度に来るものではない。
降る雪のようにひとつひとつは小さくはかなくとも、積み重なれば深くなるのである。」
という訳、こちらを支持したいと思います。
画像は先ほど手折った山茶花を和室の一輪挿しに挿した景色。
一輪挿しは 「サライ」や日テレの「ぶらり途中下車の旅」にも出た
腰越の竹細工「おかもと」の逸品です。

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