2009年05月04日

活字の旅



五月の休み明けから六月まで、

仕事が多忙となるのは毎年のこと。

単純計算でも仕事である出版点数は倍となるので

毎年この時期の前に

精神的栄養の「まとめ読み」を行っております。


画像はこのひと月ほどの読書の一部分、

タイトルに引かれて手に取った本もあれば

作家の筆圧に購入を決めたものもあります。


心穏やかにさせてくれるストーリーや

ある意味辛い思いを呼び覚ましてくれるドラマもあり、

一日の内で幾つかの限られた時間では

仕事中にその続きが読みたくて後を引いたり

深夜の眠りへの障壁となってしまう。

そんな素晴らしい書籍たちは、

ただ、頁をめくるだけでそれぞれの作家の世界に深く誘ってくれます。




おっといけない。

上着のポケットにあと二冊あったのを忘れていました。





活字の旅


http://fujihige.dyndns.org/2009NEW/200905BOOK_001.jpg

白石 一文(しらいし かずふみ)1958年

「もしも、私があなただったら」(光文社文庫)
「僕のなかの壊れていない部分」(光文社文庫)
「見えないドアと鶴の空」(光文社文庫)
「不自由な心」(角川文庫)
「すぐそばの彼方」(角川文庫)
「私という運命について」(角川文庫)
「一瞬の光」(角川文庫)

※社会の中で、誰にでもある過去。
現代を揺らぎながら生きることと失うことを書き綴る作品の数々。







活字の旅



絲山秋子(いとやま あきこ)1966年
http://www.akiko-itoyama.com/

「海の仙人」(新潮文庫)
「イッツ・オンリー・トーク」 (文春文庫)
「スモールトーク」(角川文庫)
「逃亡くそたわけ」(講談社文庫)
「ニート」(角川文庫)
「袋小路の男」(講談社文庫)

※「海の仙人」で初めてこの作家を読みました。
ある青春を書き綴ったこの「海の仙人」の透明度が好きです。
特定のクルマを小物として登場させる手法は筆者の車歴から・・。



宮部 みゆき(みやべ みゆき)1960年
http://www.osawa-office.co.jp/write/miyabe.html

「堪忍箱」(新潮文庫)
「あかんべい(上・下)」(新潮文庫)
「淋しい狩人」(新潮文庫)

※現代小説と時代小説を書き分けるこの作家。
その根底には共感できる静かに哀しい旋律がいつも流れている。






活字の旅


http://fujihige.dyndns.org/2009NEW/200905BOOK_003.jpg

城山 三郎(しろやま さぶろう)1927-2007年
「無所属の時間で生きる」(新潮文庫)
※一昨年に他界した筆者のこの随筆には「この日、この空、この私」が
社会の中で自分の基準を持ちどう生きたかをさりげない言葉で綴られています。



宮本 輝(みやもと てる)1947年
http://www.terumiyamoto.com/
「私たちが好きだったこと」(新潮文庫)
※生きるということ、愛するということ、許すということを
単なる利他主義や互恵的利他主義に片寄ることなく
しっかりと生きていこうとする噛めば噛むほど意味深い作品。



岡田 信子(おかだ のぶこ)
「たった一人の老い支度 実践篇」(新潮文庫)


阿川 佐和子(あがわ さわこ)1953年
「サワコの和」(幻冬舎文庫)


荻原 浩(おぎわら ひろし)1956年
「押入れのちよ」(新潮文庫)


横山 秀夫(よこやま ひでお)1957年
「臨場」(光文社文庫)
「深追い」(実業之日本社)


佐伯泰英(さえき やすひで)1942年
「居眠り磐音 江戸双紙 29 冬桜ノ雀」(双葉文庫)
※1~28は熟読済み







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Posted by ひげ at 22:37│Comments(2)読書
この記事へのコメント
こんばんは。
ひげさん、ひと月でこんなにたくさん本を読まれたんですか??すごい!

今日は「からっぽの木」に、私の家族を招待しました。
観光地の雑踏を避けて、芝生の上でのんびりと・・・
おにぎりや遊び道具などいろいろ車に詰め込んで行ったのに、本を持っていくのを忘れました!!
GW用ね!と友人が貸してくれた本、読みかけの本、いくつかあったのに・・・

白石 一文あたり、私も読んでみようと思います。
Posted by pin at 2009年05月05日 00:21
pinさん、おはようございます。

今朝は昨日までとお天気は変わって
雨の落ちてきそうな雲に覆われた涼しい空です。

昨日、ご家族と「からっぽの木」でくつろがれたのですね。
駐車場も空いていて、愉しまれた様でよかったです。

若葉がだいぶ茂りだしましたから、
これからは日陰での読書も確かに良いですね。

ひげは昨日、一歩も外に出ないで窓外の青葉を眺めながら
読書三昧でした。


上記の本は、全てこのひと月ほどに読んだ本です。
ひげは気に入った本は何度も何度も読み返しますので、
まとめて購入したのは丁度、
そんな本たちの入れ替わりの時期でもありました。

白石 一文の「私という運命について」(角川文庫) は、
視点が女性からで、恋愛、結婚、出産、家族、そして・・・と、
一人の女性の「揺れ動く十年間」を描ききっている
お勧めの小説だと思います。
Posted by ひげひげ at 2009年05月05日 08:29
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