2013年10月22日

ブックカフェ『百年文庫』










ブックカフェ『百年文庫』は、

長野県上田市から栃木県日光市までの全長350kmの高原を通るルートで

「日本ロマンチック街道」沿いの軽井沢の浅間高原北麓にあり、

「百年文庫」を含めたお店たちが

1920年代に建てられた和洋折衷の味わいのある洋館に手を入れた

「ルオムの森」という総称で集合しています。




これは隣接する「スウィートグラス」という

大きなオートキャンプ場がプロデュースするもので、

キャンプ場のバンガローやキャンプサイトなどと、

ルオムの森の各店舗やアトラクションコースとあわせて

大きな自然の中で楽しめるひとつのエリアとして

提案されている活動です。





そのエリアは、いまから約230年前の昔に、

浅間山が大噴火を起こして

その火砕流で軽井沢に多くの被害が出たにも関わらず

ここでは被害を受けなかった幸運な場所にあり、

また以前に私のブログにも記述させて頂きましたが、

ルオムの森の「ルオム」とは、

フィンランドの言葉で『自然に添う生き方』の意味だそうです。




さていつも、この高原に来て思うのですが、

この標高1000メートルにある軽井沢という場所、

その広大な浅間高原の中を走る道の両側は

樹高10メートルを越える林が広がり、

その木々の間から降り下りて来る木漏れ陽を浴びると

来る度にゆっくりと肩の力が抜けてゆき、

心洗われる感覚に包まれます。




晴れた夜には、それこそ満天の星たちが瞬き、

普段、街中で見上げる夜空とは別物の

格別な星たちの世界が空一面に広がります。




そして何よりも美味しい「澄みきった空気」を

胸いっぱいに吸い込んで感じる至福の時間。

それは「環境」などという言葉をあえて使いたくない

本来あるべき自然そのもので、

いささか強引かもしれませんが、

まさにそれは読書という文化的な行為に適した場所だと思います。

何故なら、誰もが都会のコンクリや排気ガスの臭いを感じながら

物語の世界を浮遊したいとは思いませんから・・・。笑




そして、そういう時間を過ごすことが、

なによりもの贅沢であり、

「豊かな時間」の味わいなのであると思います。

それは社会生活の中では無意識のうちに

誰もが犯しているであろう

攻撃的であったり、刹那的であったりという心持ちから離れた

穏やかで静かなニュートラルな気持ちになれることであり、

人間本来が持っている単純で純粋な

鏡のような心境になれる

ひとつの空間への呼び水なのかもしれません。




「百年文庫」には自然環境や草木の本、

軽井沢ゆかりの書籍や写真集などが収録された図書室があり

ブックカフェ利用者には無償で利用できます。

そして、薫り深い珈琲や軽食を取りながら

その数20を越える席にひとり座り、

開いた本から想像力を大きく広げて

静かに自分の世界を旅することができます。





ご自分の住む場所から少し足を伸ばして

時間など忘れて味わう至福の時の有り難さは、

経験した人と、体験しない人では

おそらく考え方が大きく違ってくるでしょう。




知っている人にはたまらないであろう

この静かな雰囲気に包まれた軽井沢の

一風景である「ルオムの森」界隈も、

来月に入れば浅間高原や浅間山と一緒に雪を纏って

永い冬に入ります。

「ルオムの森」は通年営業しているそうですが、

気候の良い季節であるこの晩秋。

雪降る前に足を運んでみては如何でしょうか。









追伸ですが、

先日の軽井沢訪問で丁度、他にお客さんが居なかったこともあり、

「百年文庫」の方と長い時間話し込んでしまいました。

お仕事中でしたので後で申し訳なく思ったのですが、

とても愉しい時間を過ごすことができました。



二階のカフェと図書室に薄く流れていた

ギターとヴォーカルだけのボサノヴァが

あまりにこの雰囲気にあっていたので尋ねますと

気軽に教えて下さいました。ありがとうございます。

「ジョアン・ジルベルト」のCDは早々に、

一枚をネットで注文致しましたので

明日の晩には届きます。うふふっ♪




最近いろいろな事に共通して感じることは、

自分の「趣味」にシンクロしたお店やイベント、

あるいは作家の作り出す世界。

そして、人との出会いもそうですが、

その出会いの中には「大切な情報」が溢れています。

前述のように穏やかでニュートラルな気持ちで

耳を澄ませ、じっと見詰め、

良く咀嚼することによって、

自分の生き方にプラスになる情報が

必ずと言って良いくらい見つけることができるのです。



だから、それに気づかずに急ぎ足で跨いでしまったり、

見えているのに何も感じないような気持ちで訪れることは、

とてももったいないと思います。



たとえば私のこの拙いブログであっても、

眺め・お読み頂く中に

何かしらの愉しみへのヒントを見出して頂ければ

こんなに嬉しいことはないと思い、

ついつい、いつも「長々~っ!!」と書いてしまうのは

今回を含めて、ご覧の方々には

そういう事とご理解いただき、

どうぞお許しいただければと思う今日この頃なのです。(だから長いョ)笑





軽 井 沢 小 話 ・ つ づ く

















現在、文化財登録を申請中の洋館は、
二階に「百年文庫」が入る「ルオムの森」の和洋折衷の建物。














ブックカフェ利用者は無線LANやPC電源が利用できます。
今回は図書室から背取りした「木村伊兵衛」の写真集をめくります。














所謂、その撮影方法を「居合い」と例えられた木村伊兵衛。
左は千人針、右はバスガイドです。














古書コーナーで購入しました「暮らしの手帳 すてきな あなたに 2」。
日本の家庭向け総合生活雑誌に掲載されたコラムを十二ヶ月の章に分けて
再編集された本の一冊です。














利用者は思い思いの席で心とお腹を満たします。














雨の軽井沢も、また楽し♪♪ それは本当に思うことなのです。

窓外の木立の中に停まるビーカブ。
エンジンを切ると幌にあたる雨だれの音が静かに響きます。














窓からは隣接する「自然木を生かしたアトラクションコース」が見えます。
この日は小学生くらいの子供たちが講習を受けながら楽しんでいました。































いずれは、伏流水を引いてビオトープを作る計画もあるそうですが、
図書室の窓辺には「メダカ」を入れた鉢がふたつ。
行く秋を窓から眺めながらメダカたちは尾を振っていました。














滋味豊かな「あのカレー」セット¥1200














「マフィンとドリンクセット」¥1100
りんごジュースもとても美味しい♪♪







●北軽井沢「ルオムの森」

http://sweetgrass.jp/luomu.html

http://luomu-mori.com/
 
 
   
 
  

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 





五十年ほど前まで走っていました「草軽電鉄」のポストカードもあります。
 
 
 





 
 
 
 

昨年の「ルオムの森」でのブックニックのときの記事です。

数日前に谷川俊太郎氏のトークが麦小舎でありましたが、

平日のため断念しました。

http://fujihige11.hama1.jp/e991168.html








  


Posted by ひげ at 19:54Comments(2)軽井沢