2011年10月20日

『RUZE Villa(ルゼヴィラ)』_その2[朝露篇]







ゆっくりと明けてゆく空。


わずかに残る朝露を踏んで庭に出てみた。




四季咲きの淡い薔薇が薄明かりの中に浮かんでいる。

足下に埋め込まれた枕木が、庭の導線を示すままに、

湖に続く木戸に向かう。

振り返ると昨夜は闇に隠れていた建物が、

冬に向かう葉を纏った枝に包まれるように見える。

部屋の窓から洩れる灯り、

まだ薄暗く冷えたブルーグレーの景色の中で

セピア色の淡い光が気持ちを緩めてくれる。

心暖かいピーター・ラビットの世界。



と、その時、湖畔で何か鳴いた。

カワセミかな・・・。



湖にかかる橋は英国の田舎に良くみられるような

石積みの眼鏡橋で、

この景色に深く溶け込んでいる。

橋を渡り歩みを進めると二人掛けのベンチが

湖畔に突き出た場所に白いパラソルとともに設置されていた。

うぅん、良い感じ・・・。





傍らの小さな流れ込みには蒲の穂、

朝の微風に小さく頭を揺らしている。



空は先ほどよりだいぶ明るくなり、

リアルに見晴らしの良い景色が目の前に広がる。

いま自分は軽井沢にいるのではなく、

どこか見知らぬ異国の地に足を踏み入れたかのような

そんな「錯覚」を軽く覚えた。




そういえば英国には「NGS Yellow Book 」といって

プライベートなオープン・ガーデンを

毎年選出して出版するペーパー・バックがあり、

そこで紹介される庭は、

英国人の心の故郷ともいえる素晴らしい庭ばかりだそうな・・。

http://www.ngs.org.uk/




そんな「香り」に通じる気配を感じさせる

このルゼヴィラの景色は、

軽井沢の澄んだ空気の中で静かで淡く深い。

そんなささやかな味わいに満ちている。




さて、そろそろ離れの部屋に戻ろうか・・・。















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つづく





 
 
 
  


Posted by ひげ at 21:38Comments(0)軽井沢