2009年11月13日
相性
今夜の横濱は雨。
時雨模様の冬に向かう空からの落し物。
本来なら今夜は冷え込みを受けて
冬の雨の「湯豆腐」・・と、ゆきたいところですが、
帰宅途中にいつもの食材を仕入れるお店で
思いがけず新鮮な穴子を二本、手に入れることができました。
帰宅後、早々に熱湯に通して
牛蒡を適度な大きさに切り灰汁を抜いて、
昆布を出汁にして、酒・醤油・味醂でに浸して
『超弱火』での「キュイジーヌ・コンテンポレーヌ」。
お気に入りの器に「絹さや」と一緒に盛り付け、
粉山椒を軽く振付けたら貴方・・・むふっ、
これは「こんにゃろぉ♪」と
唸ってしまう味に仕上がっておりした。笑
この素材に優しい『弱火』による調理、
ひげ的に解釈するならば、
信じられなく「柔らか」に、素材の良さを引き立てる
こだわりの料理の手法だと思って日々精進しております。
そうそう、それぞれの「火」を通すタイミングは、
すべて「食べる瞬間に合わせて」逆算して
料理を始めます。
別に、そこまで拘らなくても良いのでしょうが、
良いと聞いたこと、美味しいと読んだこと、
素晴らしいと耳に入ったこと・・・、
そのすべてを自分で出来ることは試してみることは、
ひとつの勉強でもあるのかもしれない・・・と。笑
でもね、実は、数度作っても同じ味にはならない・・・、
それはプロとアマチュアとの差なのでしょうね。汗
それはさて、脇に置きまして、
火を止めた翌日、
冷めた煮穴子を口に入れた瞬間に味わう美味さは、
次の料理への期待と希望が湧きあがるほど「美味いっ!!」。笑
そして、そんな気持ちを、
いつも抑えることができない「好奇心」がここにいるのです。
すべてはまず、
素材の鮮度とその育ちの経緯、
その「素材本来の味」を、
そっと控えめに引き立てる料理手法であり、
味付けであるということは、
料理以外のことにも云えるのではないかと・・・。
ひっく
さて、明日の「煮穴子」が愉しみですねぇ・・・。笑
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