2009年01月05日
「そのときは彼によろしく」
主人公の智史はいつも心に、
ふりかえる「ある思い」を抱えていた。
それは彼が13才の頃の心に秘めた思い。
三十歳となった時にもずっと
それは彼の心にいつも寄り添い、
ある瞬間に何かをきっかけとして
蘇ってくる純粋な痛みにも似た思い。
彼のお店、
アクアプランツ・ショップ「トラッシュ」にある深夜、
突然現れた見知らぬ女性・・・。
「ぼくは彼女を知っている。」・・・・・、
それをきっかけとして深き場所で震えはじめる心。
懐かしい時間と現実と距離の中、
家族と友の絆に支えられ、
優しさと愛、そして深い思いが奏でる悲しくも優しい旋律。
無常に時は流れても、
その思いに奇跡は起きるのか・・・。
柔らかく繊細に、そして純粋に作者が綴った宝珠の作品。
このお正月に八回目を読み返したこの一冊。
市川拓司氏の『そのときは彼によろしく』。
映画とは違ってより深く儚く
それぞれの心情を描き出している原作、
この書籍はお勧めです。
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『青空色のアクアプランツ』
画像はまるで水槽の「蒼」の中に育つ水草のようにみえる「こぶし」の春芽。
清水ヶ丘公園多目的広場の入り口の木です。
本の装丁にも使えそうですね・・・。笑
http://fujihige.dyndns.org/2008NEW/A20090103_001.jpg
そしてこの公園のゆるい斜面。そこにはもう「春の気配」が密やかに・・・。