2008年03月04日

あの日、横濱らしい街並み

走り去るテールランプの光。人の生活感が醸し出される街並み。
かつての横濱は空も広く、薄暗く味わいのある、それでいて慎ましさの漂う街並みが続いておりました。
昭和三十年代の頃には高いビルも少なく、家々の外灯も薄明るくて、市電が走るレールにひげの父は陸王というバイクをよくコケさせたようです。

最近の横濱は、街並みは格段に綺麗になりましたが、横濱の味・横濱らしい街並みはいつの間にか姿を消してしまいました。
い、いや、まだどこかの路地や開発の手の入っていないところでは懐かしい景色が見つかるかもしれません。

街並みがその場所の雰囲気を作るのと同様に、そこを走るクルマたちも「一幅の絵」の景色を彩ります。
昭和の時代の車たちには大量生産されるいまのクルマには無い「味」がありました。
商行為としてひと括りで現代で言われている「機能」と「デザイン」と「味わい」は、実はまったく合い入れない部分を持ち合わせていて、案外とそこに大切なものが隠れているように思えるのです。そしてそういうものが合い入れない部分を失わないままに集合してひとつの生き方やスタイル、個性や景色を織り成している・・。そう、時に「味わい」が優先されたり、「機能」を重視させたりしながら・・・。

そろそろ、そんな振り子が「味わい」の側に振れ戻ってくる時代とは思いますが、これから思わず後姿を眼で追うような、デザインの美しく味のあるクルマたちが街の景色を彩る未来がはたしてやって来てくれるのでしょうか・・・。





  
タグ :横濱横浜


Posted by ひげ at 00:07Comments(2)横濱